本コラムでは帯状疱疹に絆創膏は貼っていいですか?などよくある質問を解説します。絆創膏、ガーゼ、塗り薬、飲み薬など、正しい対処方法や日常生活の予防策とは?出勤・登校・登園してもいいのか?痛い時の対処方法までお伝えしていますので、最後までご一読ください!
帯状疱疹とはなに?重症化のピークはいつ?
帯状疱疹とはなに?初期症状
帯状疱疹は、水ぼうそうを起こすウイルスと同じ「水痘」「帯状疱疹ウイルス」が原因で起こる、痛みを伴う皮膚湿疹です。
水ぼうそうを経験した人の体内には、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に潜伏しています。加齢やストレス、免疫力の低下などの原因で、このウイルスが再活性化して皮膚に現れ、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹の初期症状は、皮膚の痛みや違和感、かゆみなどです。その後、皮膚に発疹が現れ、水ぶくれが帯状に集まります。水ぶくれは、破れてかさぶたになり、約3週間で治ります。
痛みのピークはいつ頃?
帯状疱疹の痛みのピークは、発疹が出てから約7〜10日頃です。ウイルスが神経節で繁殖することで、知覚神経から皮膚の細胞にまで炎症が拡大し、痛みが起こります。
痛みは、皮疹の出る前にピリピリとした違和感や、針で刺されるような痛みとして現れることもあります。皮疹が出た後は、痛みやかゆみがさらに増し、強い痛みを感じる場合もあります。
痛みのピークが過ぎると、徐々に痛みが和らいでいきます。しかし、帯状疱疹後神経痛と呼ばれる、発疹が治った後も痛みが続くこともあるため、注意が必要です。
帯状疱疹が重症化するとどんな症状が出る?
帯状疱疹が重症化すると、以下の症状が出ることがあります。
・水疱が大きく広範囲に広がる
・水疱が破けて潰瘍になる
・潰瘍が化膿する
神経症状の悪化
・痛みが強くなる
・痛みが長引く
・麻痺やしびれなどの後遺症が残る
合併症
・髄膜炎
・脳炎
・難聴
・失明
・顔面神経麻痺
・排尿障害
特に、顔や首などの上半身に発疹が出た場合は、重症化しやすいといわれています。また、高齢者や免疫力が低下している人は、重症化しやすい傾向にあります。
帯状疱疹の症状が現れたら、早めに皮膚科を受診して治療を受けることが大切です。早期治療により、重症化を防ぎ、後遺症を残すリスクを減らすことができます。
帯状疱疹はどのくらい安静にしていればいい?
帯状疱疹の安静期間は、皮膚症状が治まってから1〜2週間程度が目安です。帯状疱疹は、水痘ウイルスが再活性化することで発症する病気です。水痘ウイルスは、水痘を発症した後に神経節に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化します。
帯状疱疹の症状は、皮膚に発疹や水ぶくれができることです。水ぶくれが破れてかさぶたになったら、皮膚症状は治まっていきます。安静期間中は、患部を刺激しないように、激しい運動や重労働は控えましょう。また、睡眠不足や過労を避け、十分な休養をとりましょう。
安静期間中に患部を刺激すると、水ぶくれが破れたり、痛みが悪化したりする可能性があります。また、免疫力が低下すると、帯状疱疹後神経痛などの合併症を発症するリスクが高まります。
帯状疱疹は、早期に適切な治療を受けることで、症状を軽減し、合併症を予防することができます。早めに医療機関を受診して、適切な治療を受けましょう。
帯状疱疹に絆創膏を貼ってもいいの?適切な対処方法とは?
帯状疱疹に絆創膏を貼ってもいいの?
結論から言うと、帯状疱疹の発疹に絆創膏を貼るのはおすすめしません。帯状疱疹の発疹には、水疱や赤み、かゆみなどの症状があります。絆創膏を貼ることで、これらの症状を悪化させる可能性があるためです。具体的には、以下の点が懸念されます。
懸念点1:水疱を剥がす
絆創膏を貼ると、水疱を剥がす可能性が高くなります。水疱を剥がすと、痛みが悪化するだけでなく、細菌感染のリスクも高まります。
懸念点2:かゆみを悪化させる
絆創膏を貼ると、かゆみが悪化する可能性があります。かゆみを掻くと、水疱が破れやすくなり、細菌感染のリスクも高まります。
懸念点3:湿疹やかぶれの原因になる
絆創膏を長時間貼っていると、湿疹やかぶれの原因になる可能性があります。
帯状疱疹は、早期治療が大切です。発疹が現れたら、自己判断をせずに皮膚科を受診しましょう。
ガーゼはした方がいいの?しない方がいいの?
水ぶくれができている場合、ガーゼを当てた方が良いと言えます。水疱が破れて滲出液が出ている場合、ガーゼを当てて保護することで、二次感染を防ぐことができます。また、衣服やタオルなどで水疱が擦れて痛みを伴う場合にも、ガーゼを当てることで痛みを軽減することができます。
ただし、ガーゼを当てすぎると、皮膚が蒸れてかぶれなどの原因になるため、注意が必要です。
・ガーゼを清潔に洗い、水ぶくれの周囲を覆うように当てます
・ガーゼが湿ってきたら、新しいガーゼに交換します
・ガーゼを当てていても、水ぶくれを触ったり、こすったりすると、二次感染の原因になるため、注意しましょう
帯状疱疹には何を塗ればいい?塗り薬とは?
帯状疱疹には、主に「抗ウイルス薬の塗り薬」「抗炎症薬の塗り薬」「鎮痛薬の塗り薬」が使用されます。
抗ウイルス薬の塗り薬
抗ウイルス薬の塗り薬は、帯状疱疹の原因となる水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える効果があります。発疹が現れてから72時間以内に塗ると、水ぶくれの発生を抑え、痛みや発疹の治りを早めることができます。
・アシクロビル軟膏
・バラシクロビル軟膏
・ファムシクロビルクリーム
抗炎症薬の塗り薬
抗炎症薬の塗り薬は、発疹や水ぶくれの炎症を抑える効果があります。痛みやかゆみを軽減する効果もあります。
アズノール軟膏
リンデロンVG軟膏
フルコート軟膏
鎮痛薬の塗り薬
鎮痛薬の塗り薬は、痛みを抑える効果があります。
・ロキソプロフェン軟膏
・イソプロピルメチルフェノール含有軟膏
塗り薬は、医師や薬剤師の指示に従って使用してください。一般的には、1日数回、患部に薄く塗ります。塗り薬を塗るときは、清潔な手で患部を洗い、乾かしてから塗りましょう。
抗炎症薬や鎮痛薬の塗り薬は、市販薬でも購入できます。ただし、市販薬の塗り薬は、医師や薬剤師の指示に従って使用しましょう。
帯状疱疹が出た時の過ごし方は?自宅安静?
帯状疱疹を発症した場合は、基本的に自宅安静が望ましいと考えましょう。帯状疱疹を発症すると、発疹、痛み、かゆみなどの症状が現れます。発疹は、体の片側に帯状に現れるのが特徴です。痛みは、発疹が出る前に現れることもあります。
帯状疱疹は、免疫力が低下している状態で発症するため、安静にすることで免疫力を回復させ、症状の悪化を防ぐことができます。
患部を清潔に保ち、カサブタが剥がれ落ちるまでは水に濡らさないようにしましょう。軽症の場合は、デスクワーク程度の活動は可能です。ただし、無理はせず、体調に合わせて過ごしましょう。
帯状疱疹でしてはいけないことは?
帯状疱疹を発症した場合、以下の点に注意しましょう。
注意1:患部を触りすぎる
患部を触りすぎると、細菌感染のリスクが高まります。患部は清潔に保ち、カサブタが剥がれ落ちるまでは水に濡らさないようにしましょう。
注意2:水ぶくれをつぶす
水ぶくれをつぶすと、細菌感染のリスクが高まります。水ぶくれは自然に治るのを待ちましょう。
注意3:無理な運動をする
無理な運動をすると、免疫力が低下し、症状の悪化につながる可能性があります。安静を保ち、十分な睡眠と栄養をとりましょう。
注意4:ストレスを溜め込む
ストレスは免疫力を低下させる原因になります。適度な運動や趣味を楽しんだりして、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
注意5:周囲への感染
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気です。水痘・帯状疱疹ウイルスに感染したことのない人にはうつる可能性があります。患部を隠すようにし、他人と接触を避けましょう。
帯状疱疹は、早期に治療することで症状を軽減し、後遺症を予防することができます。発症したときは、上記の注意事項を守って、早めに病院を受診しましょう。
発熱や頭痛などの症状が現れたら、帯状疱疹の合併症の可能性も疑われます。早めに病院を受診しましょう。
帯状疱疹を早く治には?日常からの予防と注意点
帯状疱疹を発症したら、できるだけ早く病院を受診して、抗ウイルス薬の治療を受けましょう。早期に治療を開始することで、症状の軽減や後遺症の予防につながります。
帯状疱疹は、免疫力が低下することで発症しやすくなります。発症後は、安静を保ち、十分な睡眠と栄養をとりましょう。
患部を触りすぎると、細菌感染のリスクが高まります。患部は清潔に保ち、カサブタが剥がれ落ちるまでは水に濡らさないようにしましょう。
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の後に起こる神経の痛みです。早期の治療と適切なケアで、帯状疱疹後神経痛を予防することができます。
50歳以上の人は、帯状疱疹の予防接種を受けることができます。予防接種を受けると、帯状疱疹の発症を85%程度予防することができます。
規則正しい生活やバランスのよい食事、適度な運動など、免疫力を高める生活習慣を心がけましょう。
帯状疱疹は、早期発見・早期治療が大切です。また、日常生活から予防を心がけることで、発症リスクを減らすことができます。
帯状疱疹に絆創膏を貼ってもいいの?関連する質問(Q&A)
帯状疱疹は出勤・登校・登園はしてもいいの?
結論として、発疹がかさぶたになるまでは、外出を控える判断が無難です。ただし帯状疱疹は学校保健安全法に基づくルールとしては、出勤・登校は可能で、出席停止対象までは定められていません。保育園、幼稚園、学校では、感染拡大を防ぐために、出席を控えるよう指導される場合があります。
出勤・登校は可能ですが、病変部を触った手で他の人に触れないよう注意しましょう。発疹がまだかさぶたになっていない場合は、他の人に感染するリスクがあるため、出勤・登校を控えましょう。
帯状疱疹がめちゃくちゃ痛い?痛い時どうすればいい?
帯状疱疹の痛みは、発疹が出るよりも先に現れることが多く、鎮痛薬(アセトアミノフェン・イブプロフェンなど)痛み止めでの治療が行われます。痛みの程度やどのくらいの期間痛みが続くかは個人差が大きいですが、痛みが最も強く出るのは発症から2週間位までのことが多いです。
帯状疱疹の痛みは、皮膚の違和感やかゆみ、しびれとして感じる程度から、ピリピリ、ズキズキ、チクチク、針で刺されたような痛みや、焼けるような痛みまで様々です。
痛みのピークは発疹が出てから7~10日頃です。通常痛みは皮膚の症状とともに1ヶ月以内に消えていきますが、なかには帯状疱疹後神経痛として痛みが残る事があります。帯状疱疹後神経痛は、数ヶ月から数年(まれに数十年)後遺症として残ることがあります。
帯状疱疹の治りかけはどんな症状?
帯状疱疹の皮疹は、最初は赤い斑点として現れ、その後、水疱に変化します。水疱は約1週間でかさぶたになり、さらに約1週間でかさぶたがはがれます。かさぶたがはがれると、傷跡が残ることがあります。
帯状疱疹の痛みは、皮疹が出る前に現れることもあります。皮疹が出た後は、痛みがさらに強くなることがあります。しかし、抗ウイルス薬を服用することで、痛みが徐々に軽減していきます。
帯状疱疹の皮疹が治った後も、しびれや感覚の鈍りが残ることがあります。この症状を「帯状疱疹後神経痛」といいます。帯状疱疹後神経痛は、発症者の約10~15%にみられると言われています。
帯状疱疹の皮疹は、かゆみを伴うことがあります。かゆみが治まらない場合は、かゆみ止めを塗ると効果的です。
帯状疱疹の治りかけの症状が気になる場合は、専門医に相談しましょう。
記事のまとめ:帯状疱疹に絆創膏を貼っていい?について
ここまで帯状疱疹の対処方法として、絆創膏やガーゼの考え方、予防対策や悪化させないための注意点などお伝えをしました。早めに専門医に相談し、痛み止めや抗ウイルス薬を使用して対処していきましょう。
抗ウイルス薬は、帯状疱疹の原因となるウイルスの増殖を抑える薬です。発症早期に投与することで、皮疹や痛みの軽減、後遺症の予防に効果的です。
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この記事の参考文献
・厚生労働省「帯状疱疹ワクチンについて」
・日本皮膚科学会