口唇ヘルペスとニキビの違い解説!分からない時の見分け方

クリニックでカウンセリングを受けている女性患者

口唇ヘルペスとニキビの違いはなに?本記事では、この2つの見分け方、症状、原因、対処法などの違いについて解説します。また口唇炎との違い、口唇ヘルペスのセルフチェック項目、ヘルペスの検査方法、についてお伝えしていますので、最後までご一読ください。

目次

口唇ヘルペスとは?口唇炎やニキビとの見分け方

口唇ヘルペスとは?唇にヘルペスが出る原因は?

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)によって引き起こされる感染症です。唇や唇の周りに水ぶくれやただれができるのが特徴で、俗に「熱の華」「風邪の華」とも呼ばれています。

口唇ヘルペスは、一度感染すると体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再発することがあります。再発の原因としては、ストレス、疲労、風邪、日焼け、生理前などが考えられます。

ヘルペスと「口唇炎」「ニキビ」の見分け方は?

口唇ヘルペス、口唇炎、ニキビは、いずれも唇やその周辺にできるできものです。しかし、それぞれ原因や症状が異なるため、正しい見分け方を知ることが大切です。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が原因の感染症です。主に唇やその周辺に、小さな水ぶくれが集まってできるのが特徴です。水ぶくれが破れると、かさぶたになり、数日で治ります。

口唇炎

口唇炎は、唇やその周辺の炎症の総称です。原因はさまざまで、乾燥やアレルギー、風邪や風疹などの感染症などが挙げられます。症状は、唇の赤みや腫れ、かゆみ、痛みなどです。

ニキビ

ニキビは、毛穴の詰まりや炎症が原因の皮膚の病気です。主に顔や背中にできますが、唇にもできることがあります。症状は、赤みや腫れ、膿み、かさぶたなどです。

項目口唇ヘルペス口唇炎(口角炎)ニキビ
原因単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)さまざま毛穴の詰まりや炎症・アクネ(雑菌)
症状小さな水ぶくれが集まってできる唇の赤みや腫れ、かゆみ、痛みなど赤みや腫れ、膿み、かさぶたなど
場所唇やその周辺唇やその周辺顔や背中、唇など全身
痛み痛みがある痛みがある場合もある痛みがある場合もある

口唇ヘルペスとニキビの見分け方のポイント

口唇ヘルペスとニキビの見分け方のポイント
・チクチク・ピリピリとした違和感がある場合は、口唇ヘルペスの可能性が高いです
・ニキビは毛穴のある部分にできますが、口唇ヘルペスは毛穴のない唇や口の中にもできる
・口唇ヘルペスは、小さな水ぶくれが集まってできることが多いです
・水ぶくれができる前に、口の周りの一部が赤く腫れることがあります
・強い日射しを浴びた後に水ぶくれができやすいことがあります

口唇ヘルペス、口唇炎、ニキビは、いずれも見た目が似ているため、自己判断には注意しましょう。特に症状が続く場合、痛みが伴う場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

口唇ヘルペスには、抗ウイルス薬を塗布したり、内服したりする治療が行われます。口唇炎には、原因によって治療法が異なります。ニキビには、市販薬や医療機関で処方される薬で治療が行われる違いがあります。

ヘルペスかどうか分からないときはどうすればいい?検査方法は?

ヘルペスかどうかは、症状や検査によって判断することができます。ヘルペスの症状は、発疹や水ぶくれ、かゆみ、痛みなどです。口唇ヘルペスは「唇や口の周りに発疹や水ぶくれ」、性器ヘルペスは「性器やその周辺に発疹や水ぶくれ」が現れることが特徴の1つです。

ヘルペスの検査方法

水ぶくれや潰瘍を綿棒で擦って、ウイルスの存在を調べる検査があります。また、血液検査でウイルスの抗体価を調べることもできます。

病院に行くべきかどうか

ヘルペスの症状が現れた場合は、病院に行くことをおすすめします。病院では、症状や検査結果をもとに、ヘルペスかどうかを判断し、治療方針を立ててくれます。

クリニック編集長

もしヘルペスかどうか分からない場合は、自己判断をせずに早めに皮膚科や性病科を受診しましょう。

口唇ヘルペスのセルフチェック方法は?対処方法

口唇ヘルペスのセルフチェックは?

口唇ヘルペスのセルフチェックとして、まずは鏡を見ながら、唇や口の周りに水ぶくれや赤み、腫れなどの症状を確認しましょう。唇や口の周りに、かゆみや痛みなどの違和感がないかをチェックする必要があります。

口唇ヘルペスのセルフチェック項目
・唇や口の周りに、ムズムズ感やチクチクした痛みはありますか?
・唇や口の周りに、赤く腫れ、小さな水ぶくれができていますか?
・水ぶくれができる前に、口の周りの一部が赤く腫(は)れることがありますか?
・水ぶくれは、1週間前後でかさぶたになって、自然に治りますか?
・同じ症状を年に1~2回のペースでくり返していますか?
・水ぶくれは、かぜをひいたときや疲れぎみのときにできやすいですか?
・水ぶくれは、強い日射しを浴びた後にできやすいですか?

これらの質問に「はい」と答えられる数が多いほど、口唇ヘルペスの可能性が高いと考えられます。ただし、確実な診断は医師による検査が必要です。口唇ヘルペスの症状は、ニキビや口角炎と似ている場合があるため、注意して確認を。口唇ヘルペスの症状が見られたら、むやみに触らないこと。周りの人に映す可能性もあるため、早めに皮膚科を受診しましょう。

ヘルペスになったらやってはいけないことは?

口唇ヘルペスは、症状が出ている期間にウイルスを大量に排出するため、感染予防に注意が必要です。やってはいけないことの代表的な事例をお伝えします。

その
水ぶくれを潰す

水ぶくれを潰すと、ウイルスが周囲に広がり、症状が悪化する可能性があります。また、かさぶたを剥がすと、傷口からウイルスが侵入して感染が広がる恐れもあります。

その
幹部を触る

水ぶくれやかさぶたに触れた手で、口や鼻、目の周りに触れると、ウイルスが感染する恐れがあります。そのためむやみに触らないようにしましょう。

その
他人と共有する物を使う

タオル、コップ、お箸、フォークなどの共用は、ウイルスの感染を広げる恐れがあります。可能性がある場合は、共有物の使用は避けましょう。

その
キス・性交渉をする

口唇ヘルペスは性器ヘルペスの原因にもなります。特に症状が現れている場合は、キスや性交渉は避けなければいけません。パートナーとの付き合い方については、詳しく以下の記事でも解説していますので参考にしてみましょう。

口唇ヘルペスは、一度感染すると体内に潜伏し、ストレスや疲労などで再発することがあります。再発の初期症状を感じたら、早めに抗ウイルス薬を服用することで、症状の悪化を防ぎ、再発を抑えることができます。

口唇ヘルペスを放置するとどうなる?ほっといても治るの?

口唇ヘルペスを放置するリスク
・症状が悪化する
・治癒までに時間がかかる
・周囲に感染させるリスクが高まる
・傷跡が残る

口唇ヘルペスは放置しておくと、このようなリスクの発生が考えられます。また一度感染すると、体内の神経節にウイルスが潜伏し、免疫力が低下したときに再発します。放置すると、水ぶくれが破裂してただれ、痛みやかゆみが強くなることがあります。水ぶくれが破裂すると、傷跡が残るケースもあるため、注意が必要です。

治療法としては、外用薬・内服薬が用いられます。抗ヘルペスウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑えて症状を軽減し、治癒までの期間を短縮する効果があります。治癒までに10日~2週間かかる場合もあります。

口唇ヘルペスになったら病院に行くべきですか?

口唇ヘルペスになったら、またその疑いがある場合は必ず病院(皮膚科)を受診しましょう。初感染の場合は、症状が重い場合や、別の病気が隠れている場合もあります。また、安易に様子をみていると、周りの人にうつしてしまうリスクも高くなります。

そのため、口唇ヘルペスの症状が現れた場合は、まずは病院を受診して、正しい診断と治療を受けることが大切です。病院では、症状の程度や再発の頻度などによって、内服薬や塗り薬などの治療が行われます。また、再発の予防のために、抗ウイルス薬の服用や、生活習慣の改善などについても指導を受けることができます。

唇のニキビをすぐ治すための方法は?

唇ニキビへの対処方法

STEP
清潔を保つ

唇のニキビは、アクネ菌が原因で発生します。そのため、唇を清潔に保つことが大切です。洗顔やクレンジングで顔全体を洗う際に、唇も一緒に洗うようにしましょう。また、食事や飲み物を飲んだ後は、ティッシュなどで拭き取るようにすることも予防ポイントです。

STEP
刺激を与えない

唇はデリケートな部位ですので、刺激を与えないように注意しましょう。カミソリでムダ毛を剃るときは、肌を傷つけないように丁寧に剃ってください。また、唇を触る癖がある場合は、意識的にやめるようにしましょう。

STEP
保湿する

唇が乾燥すると、皮脂が過剰に分泌されてニキビができやすくなります。そのため、唇を保湿することも大切です。リップクリームやリップバームをこまめに塗り、唇の乾燥を防ぎましょう。

STEP
薬用化粧品を使う

ニキビがひどい場合は、薬用化粧品を使うのも効果的です。ニキビ用の洗顔料やクリームを使って、アクネ菌を抑制しましょう。

STEP
判断が付かない場合は皮膚科の受診を

口唇ニキビには、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、膿疱(のうほう)など、ニキビの種類はさまざまです。また、口唇ヘルペスやカンジダ感染などの病気と似ている場合もあります。皮膚科では、ニキビの原因や状態を診察し、適切な治療方法を提案してくれます。

治療法としては「飲み薬」「塗り薬」「レーザー治療」などの方法があります。また、口唇ヘルペスやカンジダ感染などの病気と間違えて、自己判断で市販薬を塗ると、症状が悪化する可能性があります。そのため、口唇ニキビが気になる場合は、必ず皮膚科を受診するようにしましょう。

唇のニキビは、ほとんどの場合3~7日程度でかさぶたとなって治っていきます。薬用化粧品には、アクネ菌を殺菌したり、皮脂の分泌を抑えたり、炎症を抑えたりなどの効果があります。ただし、薬用化粧品は肌に刺激を与える可能性があるため、使用前にパッチテストを行うようにしましょう。

口唇ヘルペスとニキビの違いに関連する質問(Q&A)

白い唇ニキビの原因は?白いのはなぜ?

白い唇ニキビの原因は、 アクネ菌の繁殖です。アクネ菌は皮脂や古い角質を分解する際に、皮脂の成分である脂肪酸 を生成します。脂肪酸は皮膚を刺激して炎症を引き起こし、白い芯(膿)を形成します。

ニキビが白いのは、膿が毛穴の出口を塞いでいるためです。膿は、皮脂や古い角質、アクネ菌などの混合物です。毛穴の出口が塞がれると、膿が外に排出できずに白く見えます。

白いニキビの原因
・皮脂の過剰分泌
・ターンオーバーの乱れ
・毛穴の詰まり
・紫外線によるダメージ
・ストレス
・睡眠不足
・偏った食生活

白ニキビへの対処法1:皮脂の分泌を抑える

唇の皮脂分泌を抑えるためには、洗顔料などで余分な皮脂を洗い流すことが重要です。ただし、ゴシゴシこすり洗いは逆効果になるので注意。また、洗顔後は保湿をしっかり行うことで、肌の乾燥を防ぎ、皮脂の分泌を抑えることができます。

白ニキビへの対処法2:毛穴の詰まりを解消する

毛穴の詰まりを解消するには、ピーリング剤や酵素洗顔料などで古い角質を除去する方法があります。ただし、唇は皮膚が薄くデリケートなため、刺激の強いものは避けましょう。

白ニキビへの対処法3:アクネ菌の繁殖を抑える

アクネ菌の繁殖を抑えるためには、抗菌作用のある薬用化粧品を使用すると効果的です。ただし、市販の薬用化粧品はあくまでも対症療法なので、症状がひどい場合は皮膚科を受診しましょう。

そのほかの日常生活の注意点としては「できるだけ触らないこと」「触ってしまう可能性があるため、手を清潔にしておくこと」「メイクをしない(避ける)」「なるべく熱いものは食べ飲みしない」など、意識してみましょう。

口唇ヘルペスは自然に治る?期間は何日ですか?

口唇ヘルペスの自然治癒期間は、通常1~2週間程度です。ただし、初感染の場合は症状が重い場合があり、治癒までに2~3週間かかることもあります。また、再発を繰り返していると、症状が軽い場合でも治癒までに時間がかかることがあります。

自然治癒させるためには、患部を清潔に保つことが大切です。また、水ぶくれを潰さないように注意しましょう。水ぶくれを潰すと、ウイルスが周囲に広がり、再発しやすくなる可能性があります。

口唇ヘルペスを早く治すためには、抗ヘルペスウイルス薬の服用が効果的です。抗ヘルペスウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑え、症状を軽減し、治癒期間を短縮してくれます。

口唇ヘルペスはなぜ完治しない?

口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス1型HSV-1は、一度感染すると体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再発する性質があります。そのため、口唇ヘルペスは完治しないと言われています。口唇ヘルペスの再発を繰り返す原因は、主に以下の3つです。

再発の理由
免疫力の低下

免疫力が低下すると、HSV-1が活性化し、再発しやすくなります。免疫力が低下する原因としては、風邪や疲労、ストレス、紫外線などが挙げられます。

再発の理由
ウイルスの再活性化

HSV-1は、神経節と呼ばれる神経の集まりに潜伏しています。免疫力が低下すると、HSV-1が神経節から再び活性化し、再発を引き起こします。

再発の理由
ウイルスの再感染

HSV-1に感染したことがある人は、体内にHSV-1の抗体が存在します。しかし、抗体が完全にウイルスを排除することはできません。そのため、再びHSV-1に感染することで、再発することがあります。

再発の兆候が見られたら、早めに内服薬や外用薬を服用することで、症状を軽減することができます。ヘルペスの具体的な対処法、対策については以下の記事も参考になさってください。

唇ニキビ(唇の下のニキビ)が痛い!どうしたら良い?

特に唇ニキビは、食事、会話、日常的な動きで痛みを感じやすい部位です。炎症を起こしている場合は、赤みや腫れ、熱感などの症状が現れ、細菌に感染している場合は膿が溜まったり、痛みやかゆみが強くなったりします。ニキビを潰してしまった場合は、雑菌が広がって炎症が悪化したり、ニキビ跡が残ったりする可能性があるので触らないようにしましょう。

痛みがある場合は、まずは市販のニキビケア商品を試しましょう。炎症を抑えたり、ニキビ跡を防いだりする効果があるものがあります。ただし、商品によっては刺激が強いものもあるので、使用前にパッチテストを行ってから使用するようにしましょう。

自己判断が難しい場合は痛みがひどい場合は、皮膚科にて専用の薬を処方してもらいましょう。「飲み薬」「塗り薬」があり、ニキビの軽度、中度、重度によって処方内容が異なります。

クリニック編集長

唇は皮膚が薄く敏感なため、強い薬を使うと刺激になることもあります。そのため、必ず皮膚科を受診して、医師の診察を受けてから薬を使いましょう。

この記事のまとめ:口唇ヘルペスとニキビの違いは?

この記事では、口唇ヘルペスとニキビ、また口唇炎との違いをご紹介しました。口唇ヘルペスとニキビは、見た目がよく似ているため、見分けがつきにくいことがあります。

しかし、両者は発生原因や症状、治療方法が異なるため、正しい見分け方と対策を知っておくことが大切です!自己判断で対応を間違えてしまうことがあるため、不安な場合は早急に皮膚科を受診するようにしましょう!

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